卒塾生発表では4名の卒塾生にお話しいただきました。

【湯村将貴さん 5期生 Moody’s Japan サステナビリティアナリスト】

5期卒塾生の湯村さんは、国際機関で働くことを視野に入れてアメリカの大学院に進学し、そこで環境問題や開発経済の専門性を身につけました。大学院では、日本の立場を海外の人に説明する能力の必要性を痛感したほか、国際社会での日本の立ち位置を確認することもできたそうです。
塾生には、「環境問題に関わらず、ルールを与えられる側ではなく、途上国を含む全員が納得できるルールを作るリーダーになってほしい。また、組織に入ると自分の希望が通らないと考える人もいるかもしれないが、積極的に行動すればきっと叶う。リーダー塾のメンバーや人とのつながりを大切にし、世界のリーダーを目指してもらいたい」と熱いメッセージをいただきました。

【イダマルゴダ バヌカさん 12期生 東京大学大学院 総合文化研究科 地域文化研究専攻】

12期卒塾生のバヌカさんには、大学院で研究している南アジアの近現代史やご自身の経験についてお話しいただきました。お話から、第一人者として専門分野を開拓できる研究の醍醐味や、自分史を振り返ることの良さを塾生は学ぶことができました。
またバヌカさんは、これまで、マイノリティとして「ふつう」の人への憧れや劣等感を感じたこともあったが、自らの道を自分で切り拓き、「ふつうの人」よりも面白く生きてやろうと考えるようになったそうです。多様性の受容には、心の壁と制度の壁の両方へ同時にアプローチする必要があると語ってくださりました。

【高橋はなさん 12期生 東京外国語大学 国際社会学部 国際社会学科】

12期卒塾生の高橋さんは、リーダー塾を経て国内の子どもの貧困という身近な問題を知り、卒塾後に生徒会のメンバーとお米を販売して、収益を子ども食堂に寄付する活動を行いました。大学では英語以外の言語を習得し、ある国・地域のプロフェッショナルになりたいという思いから、マレーシア語を専攻しました。留学生活・ホームステイを通して自分と異なる文化や宗教・考え方を持つ人々と関わる中で、他者との違いを受け入れること、日本人らしさ、自分らしさについて模索した経験を語っていただきました。
塾生には、「やるかどうか迷ったときは、同じチャンスは二度と訪れないと思ってチャレンジしてほしい」とメッセージをいただきました。

【モハマド アリ イザットさん 16期 一橋大学 社会学部 社会学科】

マレーシア出身で、かつてアジア奨学生としてリーダー塾に参加したモハマド アリ イザットさんは、中等学校5年生の時に日本から来た高校生と交流したことがきっかけで日本語を学び始めました。リーダー塾ではアジア・ハイスクール・サミットのリーダーに挑戦し、少数派の意見も取り入れる「誰一人取り残さない」、日本らしいリーダー像について学びました。その後、ルックイースト政策の奨学生として来日し、現在は特に人権問題に関心を持って大学で学んでいます。
モットーは「自分の為に生き抜けないなら、誰かの為に生きろ」。自分の恵まれた環境を生かして、苦しんでいる人々を助けようという気持ちを原動力に、将来は国連などで難民や祖国の人々に貢献したいという夢を熱く語っていただきました。