【佐々木久美子・株式会社グルーヴノーツ代表取締役社長
「高校生が知っておくべきテクノロジーのインパクト」】

世界で注目されている福岡に本社を構えるAI企業の創始者佐々木久美子さんが語るITの話は分かりやすい。
企業や政治が一方的な伝達をしていた時代から、今はソーシャル・メディアが発達して、
個人が何でも伝えられ、膨大な情報量の中で生きていき、個性の尊重が加速される時代。

AIで個人が特定されることに対して、アメリカではエンジニアがストを起こして、
プロジェクトを降りる事態も起きている。このような時代で生きる次世代に
「自分が何者であるのか分かっていれば、他に合わせる必要はない。
しっかり、ニュースソースを確かめて何が本物かを見極めることが大事。
多様性の考え方を本当に理解するのは難しいが、とても大切なこと」と助言していただいた。

 

村木厚子・津田塾大学客員教授「事件から学んだこと~組織の在り方・人の生き方~」】

2009年起こった郵便不正事件で、無実にもかかわらず164日間拘置所に勾留されて、裁判を闘い、
冤罪という壮絶な体験をされた村木先生。たとえ拘置所に入ってもポジティブに生きること、
検察官に自白を強要されそうになっても、正義を貫くこと。
高校生は、村木先生の不屈の精神に言葉もありませんでした。
辛い取り調べの後には、拘置所で推理小説を読み、好奇心を絶やさず、拘置所の中で買い物をして、
チョコレートはロッテのガーナ、下着はユニクロだったことを知った。
そして、くじけそうになった時、娘の顔を思い浮かべて「もし、娘が将来、大変なことがあった時、
お母さんもあの時くじけてしまったと言われないように、絶対頑張ろう」と心を奮い立たせたそうだ。
この事件で、証拠を改ざんしたとして検事3人が逮捕され、密室の取り調べに録音や録画が導入されるなど、
刑事司法制度改革のきっかけとなった。
拘置所で罪を償っている少女たちと出会い、今は、DVなどに苦しむ若い女性の支援をしている村木先生。
塾生から「高校生からできる支援は」との質問に「オレンジリボンなど、まずはすでに行われている支援に協力。
もし、身近に被害者がいたら声をかけて様々なNPOの活動を紹介してほしい」と。
早速、オレンジリボンの活動に協力を始めた塾生がFBに書き込んでいた。
村木先生、この事件を通して「一夜にして公務員として支える側から支えられる側になるんだと実感できた」と。
突然起きたコロナに対しても、「いつ終息するか分からないが、今できることをすることが大切」と話してくださった。